隣に住んでいた男の子と女の子の話〜私の昔話〜

ゆうきくんは小学校１年の時に、どこかへ引っ越して行きました。
小学校へ入ると、私の行動範囲は飛躍的に広がり、
近所の公園などに勝手に行かれるようになりました。
遊ぶ友達も、小学校で沢山できて、
その後さゆりちゃんとは、ほとんど顔を合わせることなく
小学校時代はとても幸せでした。

中学生を前に親の転勤で引っ越しました。
転校後の中学校にはあまりなじめず、
一匹狼的な存在ではありましたが、
とくにいじめられたりもせず、おおむね平穏に成長しました。

ですが、今でも時々、そりの合わない他人に出会った時などに
あの不遇な幼稚園時代の出来事がフラッシュバックしてしまいます。

今思えば、ゆうきくんもさゆりちゃんも
普通の幼稚園児だったのだと思います。
私も、私が小学校や中学校で出会った他の友達も、
幼稚園時代には彼等と大差ない幼児だったのだと思います。

成長した彼等と、対等に友人として付き合えたら
あの時はごめんね。と言ってもらえなくても
もしかしたら、気持ちが上書きされるかも、と思ったこともありました。

今ではさゆりちゃんもゆうきくんも、
成人して立派な人になっているかもしれません。
さゆりちゃんは優しくて賢いお母さんになっているかもしれないし、
皆に慕われる女社長だったりするかもしれません。
ゆうきくんは優しくて賢くてハンサムで、
子煩悩なお父さんかもしれません。