ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
その上にそっと下ろされて、仰向けに横たわる私に彼が馬乗りになる。

貸してもらったジャケットのボタンを外されたら、そこにあるのは裸の胸。

衣装のブラの留め具は壊れているから、脱がすまでもない。

隠す必要はなくても、照れくさくて、「あまり見ないで……」とお願いすれば、「嫌だ」とクスリと笑って拒否された。


「綺麗だよ。白くて大きくて柔らかい。やっと俺のものだ……」


ゾクリとするほど色気のある声で褒めた彼は、私の胸に顔を埋め、ボリュームのある肉感を楽しんでいる。

男らしい指や温かな舌で愛されて、私の口からは自然と甘い声が漏れた。

胸の頂を口に含められたら、体を震わせて、「よっしー」と愛しい彼の名を呼んだ。

すると愛撫の手がピタリと止まり、彼の唇も胸から離れる。

真上から私の顔を見下ろす彼が、苦笑いをして文句を言った。


「夕羽、その呼び方、そろそろやめない? どうも、子供扱いされている気がして……」


そう言われたら、そうかもしれない。

子供の頃の私が、頼りないぽっちゃり少年につけた呼び名だ。ハイクラスの頼れるイケメンに成長した今の彼には似合わない。


「じゃあ……良樹?」と正しい彼の名を初めて呼べば、照れくさくてドキドキと胸が高鳴り、甘くて熱い興奮が戻ってくる。
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