ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
その数は三百人ほどいそうな気がして目を丸くしていたら、「ウェイティングルームは他に二カ所ある。今日の招待客は八百人ほどいるからね。ここだけじゃ間に合わない」と彼に言われて、また驚いた。
これは誕生会を名目にした、セレブたちの社交の場なのだと察する。
三十人の友人とのホームパーティーを想像していた私は、彼の規格外な富豪ぶりを理解できていなかったということみたい……。
室内を奥に向けて足を進めると、黒服の男性が銀のトレーにシャンパングラスをのせて、私たちに近づいてきた。
そのウェルカムドリンクを良樹が受け取って、私に渡してくれる。
アルコールが入れば少しは緊張が解けるかもしれないと期待して、それを一気に飲み干せば、気を緩めるどこか、さらに鼓動を波打たせる事態となった。
「良樹!」と彼の名を呼んで歩み寄る友人らしき青年がいて、その声に反応したのか、周囲で談笑していた他の招待客もこちらに振り向く。
たちまち二十人ほどのセレブ男女に囲まれて、誕生会の開始前から、私の戦いが始まってしまった。
皆が良樹に誕生日のお祝いの言葉をかけて、握手を交わす。
その後はやはりと言うべきか、「お連れの女性はどなたですか?」と興味が私に集中した。
これは誕生会を名目にした、セレブたちの社交の場なのだと察する。
三十人の友人とのホームパーティーを想像していた私は、彼の規格外な富豪ぶりを理解できていなかったということみたい……。
室内を奥に向けて足を進めると、黒服の男性が銀のトレーにシャンパングラスをのせて、私たちに近づいてきた。
そのウェルカムドリンクを良樹が受け取って、私に渡してくれる。
アルコールが入れば少しは緊張が解けるかもしれないと期待して、それを一気に飲み干せば、気を緩めるどこか、さらに鼓動を波打たせる事態となった。
「良樹!」と彼の名を呼んで歩み寄る友人らしき青年がいて、その声に反応したのか、周囲で談笑していた他の招待客もこちらに振り向く。
たちまち二十人ほどのセレブ男女に囲まれて、誕生会の開始前から、私の戦いが始まってしまった。
皆が良樹に誕生日のお祝いの言葉をかけて、握手を交わす。
その後はやはりと言うべきか、「お連れの女性はどなたですか?」と興味が私に集中した。