ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
しゃがんで真珠を拾っている私を黙って見ていたよっしーは、おもむろに立ち上がると、壁際のベッド上に脱ぎ捨ててある彼のスーツのジャケットから、スマホを取り出した。
私に背を向けて、どこかに電話をかけている。
「三門です。営業時間外に申し訳ないが、今から来ていただきたい。女性用のネックレスを何点か頼みます」
真珠を拾う手を止め、私は目を丸くして彼を見る。
電話を切った彼に「誰が来るの?」とおずおずと尋ねれば、振り向いた彼が普通の口調で言う。
「懇意にしている宝石商の営業マン」
驚いた私は立ち上がり、せっかく拾い集めた真珠が手のひらからこぼれ落ちてしまった。
「それって、私のためだよね? よっしーがお金持ちなのは知ってるけどさ、壊れたのは安物だし、そこまでしてもらうわけにいかないよ」
自宅に宝石商を呼び出しての買い物とは、きっと私の想像を超えた高額商品を見せられるに違いない。
すでにバッグや腕時計などを買ってもらって恐縮しているのに、宝石なんて勘弁してほしい。
友達にアクセサリーを気軽にプレゼントすることは、もしかすると富豪の常識なのかもしれないけど、庶民の私には非常識だ。
私に背を向けて、どこかに電話をかけている。
「三門です。営業時間外に申し訳ないが、今から来ていただきたい。女性用のネックレスを何点か頼みます」
真珠を拾う手を止め、私は目を丸くして彼を見る。
電話を切った彼に「誰が来るの?」とおずおずと尋ねれば、振り向いた彼が普通の口調で言う。
「懇意にしている宝石商の営業マン」
驚いた私は立ち上がり、せっかく拾い集めた真珠が手のひらからこぼれ落ちてしまった。
「それって、私のためだよね? よっしーがお金持ちなのは知ってるけどさ、壊れたのは安物だし、そこまでしてもらうわけにいかないよ」
自宅に宝石商を呼び出しての買い物とは、きっと私の想像を超えた高額商品を見せられるに違いない。
すでにバッグや腕時計などを買ってもらって恐縮しているのに、宝石なんて勘弁してほしい。
友達にアクセサリーを気軽にプレゼントすることは、もしかすると富豪の常識なのかもしれないけど、庶民の私には非常識だ。