ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
宝石商を呼び出した理由は、もっくんより私への影響力が上であると示したいため。
そんな男心に呆れつつも、子供なのか大人なのかわからない拗ね方をする彼を可愛く感じて、私はフッと口元を緩ませた。
こたつテーブルに置いていた自分のスマホを手に取り、やれやれという気持ちで写真フォルダを開く。
もっくんは、人のいい演歌好きのおじいさん。
私のことは友人というよりは、気の合う孫と出かけている心境なのではないだろうか。
もっくんの顔を見れば、よっしーもきっとそう感じて、おかしなやきもちを焼かずにすむのではないかと思っていた。
「確か、もっくんとコンサートホールの入口で記念撮影した写真があったような……」
百枚ほど保存してある画像の中からそれを探して彼に見せるも、「顔がわからない」と言われてしまう。
あれ? 本当だ。並んで撮ったはずなのに、もっくんは左半身の半分も写っていない。
シャッターを押してくれた通りすがりのおばさんが、下手だったということなのか。
それならばと他の画像を探すも、どれもこれも見切れていて、まともな写真がない。
唯一全身が写っているものは後ろ姿で、薄毛の頭髪はよくわかっても、気さくで朗らかな人柄は伝わらないだろう。
そんな男心に呆れつつも、子供なのか大人なのかわからない拗ね方をする彼を可愛く感じて、私はフッと口元を緩ませた。
こたつテーブルに置いていた自分のスマホを手に取り、やれやれという気持ちで写真フォルダを開く。
もっくんは、人のいい演歌好きのおじいさん。
私のことは友人というよりは、気の合う孫と出かけている心境なのではないだろうか。
もっくんの顔を見れば、よっしーもきっとそう感じて、おかしなやきもちを焼かずにすむのではないかと思っていた。
「確か、もっくんとコンサートホールの入口で記念撮影した写真があったような……」
百枚ほど保存してある画像の中からそれを探して彼に見せるも、「顔がわからない」と言われてしまう。
あれ? 本当だ。並んで撮ったはずなのに、もっくんは左半身の半分も写っていない。
シャッターを押してくれた通りすがりのおばさんが、下手だったということなのか。
それならばと他の画像を探すも、どれもこれも見切れていて、まともな写真がない。
唯一全身が写っているものは後ろ姿で、薄毛の頭髪はよくわかっても、気さくで朗らかな人柄は伝わらないだろう。