ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
その時頭に浮かんだのが屋台みたいに小さな中華飯店で、そういう場所で餃子と小籠包が食べたいと言ったら、とんでもないことになったのだ。
その翌日の日曜日に、なぜかパスポートを持たされた私が連れていかれたのは飛行場。
『昨日買った』とサラリと言われた自家用ジェット機に乗せられて、着いた先は台湾だった。
それは台湾の屋台を食べ歩こうという日帰りの小旅行で、私は唖然とするばかり。
庶民的な店で安価な餃子や小籠包を食べさせてくれと言ったけど、本場まで連れていかれるとは思わなかった。
あの時のプライベートジェットも、私のために買ったようなもので、そう考えればネックレスの五点くらい……という気持ちには、やっぱりなれそうにない。
私がネックレスとジェット機と、本場の小籠包の忘れられない美味しさに、ひとり想いを馳せていたら、隣で彼がため息交じりに呟いた。
「夕羽ちゃんともっと一緒にいたいのに、思うように時間が取れないな……」
天井に向けたそれは独り言のようにも聞こえたが、私は立てた膝の上に頬杖をつきつつ、「結構一緒にいると思うけど」と冷めたツッコミを入れる。
すると目線だけを私に流し、「全然足りない」と不満げな声の返事をされた。
その翌日の日曜日に、なぜかパスポートを持たされた私が連れていかれたのは飛行場。
『昨日買った』とサラリと言われた自家用ジェット機に乗せられて、着いた先は台湾だった。
それは台湾の屋台を食べ歩こうという日帰りの小旅行で、私は唖然とするばかり。
庶民的な店で安価な餃子や小籠包を食べさせてくれと言ったけど、本場まで連れていかれるとは思わなかった。
あの時のプライベートジェットも、私のために買ったようなもので、そう考えればネックレスの五点くらい……という気持ちには、やっぱりなれそうにない。
私がネックレスとジェット機と、本場の小籠包の忘れられない美味しさに、ひとり想いを馳せていたら、隣で彼がため息交じりに呟いた。
「夕羽ちゃんともっと一緒にいたいのに、思うように時間が取れないな……」
天井に向けたそれは独り言のようにも聞こえたが、私は立てた膝の上に頬杖をつきつつ、「結構一緒にいると思うけど」と冷めたツッコミを入れる。
すると目線だけを私に流し、「全然足りない」と不満げな声の返事をされた。