溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「あっ、焦げてる!」

香ばしいを通り越したにおいに、慌てて肉をひっくり返す。
蔵人さんはダイニングテーブルに着くとカシュッといい音を立てて缶を開け、ビールを飲みはじめた。

「これ、どうぞ」

肉の焼け具合を気にしながら、小鉢のモヤシとニラの中華和えを出す。
キッチンに戻るとフライパンにあわせ調味料を流し込んで完成。

「おまたせしましたー」

今日の晩ごはんはしょうが焼きとポテトサラダ、豚汁にごはんと、さっきの小鉢。

「和奏のごはんはおいしいから困るよな。
最近、太った気がする」

……えっと。
それは冗談なんでしょうか。

蔵人さんの顔からは冗談だったのか本当なのか窺えない。
けれど、少なくとも褒められてるんだよね?

ごはんが終わってふたりで並んでテレビを見る。
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