溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
手はその位置を迷い、蔵人さんの太股の上に乗せると、蔵人さんの両手が私のあたまを掴み、髪を乱す。

「……はぁーっ」

唇が離れると深い息を吐き出した。
ちゅっ、私の額に口づけを落とすと、蔵人さんは抱きしめるように私の耳元へ顔を寄せてくる。

「ダメだったら言ってくれ。
無理はしなくていい」

言われた意味を理解するのに少しかかった。
理解するとなんだか気恥ずかしい。
優しい蔵人さんだったら、きっと大丈夫だと思った。
それに私もそうなるのを望んでいる。

こくんと頷くと、蔵人さんは嬉しそうに私のあたまを撫でた。


手を引かれて寝室に移動する。
蔵人さんがジャケットとベストを脱ぎ、ネクタイをしゅるしゅると解いていく。
それを見ているとだんだんと緊張してきた。

「やめるか?」

心配そうな声にふるふると首を振る。
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