溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
シャツの第一ボタンをはずすと、蔵人さんはキスしながらゆっくりと私を押し倒した。

……大丈夫。
怖くない。

何度も言い聞かせるのに、覆い被さる蔵人さんに身体ががたがたと震える。
次第に呼吸が早く、浅くなっていく。

「和奏!
もうしないから。
安心していい」

「蔵人さん……?」

ぼーっと見上げると泣き出しそうな蔵人さんの顔が見えた。
とたんにダメだったんだと胸が苦しくなる。

「蔵人さんが好きなの」

「うん」

「蔵人さんが、好き、なの、に……っ」

「……うん」

なんで私は好きな人とできないんだろう。
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