溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
こんなに……こんなに蔵人さんが好きなのに。

ひっく、ひっくと泣き続ける私のあたまを、蔵人さんがあやすように撫でてくれる。
それは酷く安心できて心地いい。

「……蔵人さん」

昨日、よく眠れなかったのもあってうとうとしながら、好きだといわれたいまなら気になっていたことを聞けそうな気がした。

「ん?」

「どうして私と、結婚したんですか……?」

ずっと、疑問だった。
切羽詰まってたからなのはわかる。
私にきっと、同情してくれたんだろうっていうのも。

けれどビジネスだって言ってた割に、蔵人さんは私を可愛がってくれた。
それにさっき、好きだって。

「あー、和奏って実家で飼ってた犬に似てるんだ」

「犬、ですか?」
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