溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
眼鏡の描かれた附箋についつい顔が緩んでしまう。
隠してあるノートに剥がした附箋を貼り付けた。
ノートはいくつも貼られた附箋で厚みを増している。

蔵人さんが着替えているあいだに手早く晩ごはんの仕上げをすませた。

「いただきます」

「どうぞ」

蔵人さんが食べてるあいだ、私も同じテーブルでお茶を飲む。
先に食べてていいって連絡もらってるから先に食べちゃうけど、ほんとは蔵人さんと一緒にごはんを食べたい。

「土日は出勤だから」

「そうですか」

朝早くから夜遅くまで仕事してお疲れなのにさらには土日も休めないなんて、新規契約先を恨んでしまう。

「無理はしちゃダメですよ」

「わかってる。
和奏に怒られるからな」

蔵人さんは目を細めると、おかしそうにくすりと笑った。
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