溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「……そんなのできたら苦労しないよね」
はぁっとため息をついて自嘲すると、俯いていた顔をあげた。
偶然、視界に入ってきた一軒の美容室に向かって勢いよく歩き出す。
カランカラン、ドアを開けると私の気持ちとは正反対の軽い音をドアベルが立てた。
「いらっしゃいませ」
「予約はしてないんですがカット、いまからでも大丈夫ですか」
「少々おまちください……」
店員が確認しているあいだ、心臓はずっとどきどきしていた。
自分でもずいぶん、思い切った決断をしたと思う。
「少々お待ちいただけましたら可能ですが」
「お願いします」
店員に促されて待合用のソファーに座る。
適当に置かれている雑誌を見ながらも、ちらちらとバッグの中の携帯を意識してしまう。
今日も蔵人さんは接待だ。
はぁっとため息をついて自嘲すると、俯いていた顔をあげた。
偶然、視界に入ってきた一軒の美容室に向かって勢いよく歩き出す。
カランカラン、ドアを開けると私の気持ちとは正反対の軽い音をドアベルが立てた。
「いらっしゃいませ」
「予約はしてないんですがカット、いまからでも大丈夫ですか」
「少々おまちください……」
店員が確認しているあいだ、心臓はずっとどきどきしていた。
自分でもずいぶん、思い切った決断をしたと思う。
「少々お待ちいただけましたら可能ですが」
「お願いします」
店員に促されて待合用のソファーに座る。
適当に置かれている雑誌を見ながらも、ちらちらとバッグの中の携帯を意識してしまう。
今日も蔵人さんは接待だ。