溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
契約は無事に締結され、小雪は明日の飛行機でアメリカへ戻る。

「お待たせしました」

思ったよりも早く、席に案内された。

「どのような髪型にされますか」

「思いっきり短くしてください。
別人になるくらいに」

顔は変えられなくても髪型を変えれば印象はずいぶん変わる。
髪をばっさり切って蔵人さんの気持ちを確かめようと思った。



歯磨きしながら鏡に映る自分はまるで別人のようだ。

「ちょっと思い切りすぎたかな……」

自分の髪を摘まんでみながら苦笑いが漏れる。
マニッシュショートにした私の髪は、下手したら蔵人さんよりも短い。

リビングに行くと役所でもらってきた書類を埋めていく。
こんなに早く、これを書くことになるとは思わなかった。
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