溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「で、どうする?」

食べ終わってお代わりのコーヒーを頼むと、再度君嶋課長は聞いてきた。

きっと、話したところでなにも解決はしないだろう。
それに君嶋課長に話さなければいけない義務もない。

けれどじっと眼鏡の奥から見つめる、君嶋課長の目が怖かった。
なにもかも話してしまわないと怒らせてしまいそうで。

たぶん君嶋課長にそんなつもりは微塵もないだろう。
ただ、真剣に話を聞くつもりになってくれているだけで。
でも、私にはそれが怖くて堪らない。
だから話す必要はないとわかっていながら、勝手に口は動いていく。

「……あの。
同棲してた彼氏と別れていま、ネカフェ暮らししてて」

「それでその荷物か。
追い出されでもしたのか」

特になにも思わないのか無表情で、君嶋課長はコーヒーを一口飲んだ。
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