輝く星をキミにあげる
第ニ章
好きな人
「…一緒には行かないよ」
仲直りしたものの、一緒に登校、下校はしない。
理由はただ一つ。
面倒なことになりたくないから。
「でも面白くね?あの真面目な生徒会長が
俺みたいなチャラ男と付き合うって」
面白半分で言ってるんだろうけど
私にはその冗談が辛い。
…まあ、昴は天然でバカだから
なんとかその性格でごまかそうとする私。
というか自分をチャラ男って認めるあたりどうかと思うけどね。
「…面白くない。 早く行って!お弁当作り終わったら私は出る」
ちぇーなんてぶすくれながら家を出る昴。
可愛い、なんて思ってしまう私はバカだろう。
ほんと、、自分で言うのもなんだけど
まんざらでもないんですね、私。
ぞっこんなんです。
なんてことはどうでもいい。
私は急いでお弁当を作り終え、家を出た。
まあ、このお弁当を渡すのにも一苦労なわけで。
女の子が集まってる中で呼べるわけもない。
私はメールとか電話とかするけど
昴は一切見やしない。
だから、特定の時間に空き室に集合することに決まった。
昴はいつも来るの遅いけどね。
「歩花!わりぃな、あいつら何回払ってもくっついて来るから」
「…別に大丈夫だけど。次遅れたら私食べとくからよろしく」
「え!それはダメだろ!お前は本当に食べそうだからな!やめとけよ!でぶるぞ!」
貶してるのか心配してるのかわからない昴
でも普段学校で話せないから
ここで話せることが楽しみだったりする。
「ほら、早く行かないと女の子達に怒られるよ」
「げっ。。んじゃありがとな!」
昴は一度私の頭を撫でて、教室を出てった。
モヤモヤが止まらない。
仲直りしてから
嫉妬深くなったのは言うまでもない。
女の子が毎日周りにいるのはいつものことなのに
最近、それが不快になってきて。
そのうち怒っちゃいそうで怖い。