輝く星をキミにあげる
放課後の長い話し合いが終わり、生徒会室からぞろぞろ出てく。
「ぁあ疲れたー!!」
隣で優雅は体を伸ばす。
「まあ優雅は久々だから体が慣れてないのかもね」
「え、なにその嫌味みたいな言い方〜」
なんて勝手にいじける優雅を置いてクラスに戻る。
…昴
私は無意識に昴の席を見る。
もう帰ったよね。
100%ないことはわかってるけど
一緒に帰りたいって思っている自分がいる。
私はおとなしく帰る準備をし、教室を出る。
「歩花〜」
昇降口で靴を履き替えると
声のトーンを一切変えることなく
手を振って近づいてくる優雅。
名前の呼び方を一定にしてほしい…本当に。
「1人で帰んの?」
「…うん。夕食の買い出しとかあるし」
「うわ、真面目かよ」
なんて引かれたけど
夕食の買い出しは真面目じゃなくてもすると思う。
ふと時計に目を移すと、いつもよりだいぶ時間が遅かった。
「時間やばいから!じゃ、バイバイ」
私は優雅に背中を向け、すたすたと歩き出す。
すると、片手を握られる。
「…何?」
「暗いしさ、送ってくよ。このイケメンが」
最後の一言がなければただの優男だったんだけどな
なんで私は心の中でつっこんだ
「大丈夫だよ。買い物とかあるし」
「いやダメ。誘拐されたらどうすんの?」
「…今までされたことな…」
優雅の掴む手が強くなった気がして
言うのをやめた。
「…じゃ、お願いする」
私がそう言うとスキップし出す。
顔はイケメンなくせになんか、、勿体ないとこあるよね。
とか言ったらいじけるから言わないけど。
私たちは校門を出ると
「おい、歩花」
聞き覚えのある声が耳に入る。
後ろを向くと
「す…ばる…?」
不機嫌そうな顔で私たちを見る昴が居た。
なんでここに?
昴は私の手を無理矢理引っ張る。
「ちょっ、、ど、どうしたの!?」
昴が居たことと、手を掴まれたこととで
いろんな感情がごちゃ混ぜになり
頭の中が混乱する
「お前になんかあったら俺が怒られんだよ」
「…で、でも優雅が送ってー…」
「あーそう。俺のいうこと聞けねえの?
お前は俺が世話すんだよ。他は必要ねぇ」
…世話?
なんで急に?
「…いいから黙ってればいいんだよお前は。」
昴そう言い早歩きし出す。
「…昴??」
私が呼んでも振り向きすらしない。
なんで…校門にいたの?
…私を待ってたの?
いろんな疑問が頭を埋め尽くす。