五十夜美咲事件帳 No.000【男スポ作品】
・動機
「で、何を知っていると?」
「は、はい! えぇとですね……」
伊地山くんが口にした内容は、他の3人が片桐さんを殺害してしまうだけの動機とするに十分な証言でした。
まずは長内さん。
この方はどうやらそもそも他の店で料理長として働いていたそうですが、そこのオーナーが片桐さんのお父さんだそうで、彼の一声でこの店の副料理長として引き抜かれたのだそうです。
大変恩義に厚い方のようで、いままでお世話になった店のオーナーの息子の頼みとあっては断れなかったそうですが、片桐さんの態度や自分への扱いについては常日頃不満を持っていたそうです。
「たまに店の裏で壁に八つ当たりしてるの見たことあるんですよ。あぁいう真面目な人ほどキレると何するかわかんないですからねぇ」
とは伊地山くんの談。
次に日比谷さんですが、この方はなんと片桐さんの“彼女”だそうです!
何を思ってあんな……いやいや、こほん。
ともかく。
片桐さんは先にお話しした通り、綺麗な女性と見れば口説かずにはいられない性格でしたから、やはり度々喧嘩をしていたそうです。
先ほどは号泣をされていましたが、女の涙ほどあてにならないものはないですからね。
「でもあんなに涙ぽろぽろ流してたからなぁ~。やっぱり彼女は違うでしょうねぇ」
おやおや、伊地山くん。
このコは女性に簡単に騙されちゃうタイプのようです。
そして越野さん。
なんでも別の店からの引き抜きの話があったそうです。
この店では片桐さんが絶対権力者で、彼が料理長であることは変わりようがなく、実質ナンバーワンの長内さんが副料理長にいらっしゃる以上、自分がプリモピアット(パスタやリゾットのメニュー)以上の、メインを作らせてもらえる可能性はほぼ皆無。
なのでこれを彼女は快く受けようと思ったそうですが、片桐さんがそれを許さなかったそうです。
「どんな手を使ってもやめさせやしないからな! って、越野さんに怒鳴ってるのを聞いたことがありますよ」
何だかんだで越野さんの実力を認めていたんでしょうね。
それで自分の店で囲って他の店にみすみす貢献するようなことをさせなかった、といったところでしょうか。
「は、はい! えぇとですね……」
伊地山くんが口にした内容は、他の3人が片桐さんを殺害してしまうだけの動機とするに十分な証言でした。
まずは長内さん。
この方はどうやらそもそも他の店で料理長として働いていたそうですが、そこのオーナーが片桐さんのお父さんだそうで、彼の一声でこの店の副料理長として引き抜かれたのだそうです。
大変恩義に厚い方のようで、いままでお世話になった店のオーナーの息子の頼みとあっては断れなかったそうですが、片桐さんの態度や自分への扱いについては常日頃不満を持っていたそうです。
「たまに店の裏で壁に八つ当たりしてるの見たことあるんですよ。あぁいう真面目な人ほどキレると何するかわかんないですからねぇ」
とは伊地山くんの談。
次に日比谷さんですが、この方はなんと片桐さんの“彼女”だそうです!
何を思ってあんな……いやいや、こほん。
ともかく。
片桐さんは先にお話しした通り、綺麗な女性と見れば口説かずにはいられない性格でしたから、やはり度々喧嘩をしていたそうです。
先ほどは号泣をされていましたが、女の涙ほどあてにならないものはないですからね。
「でもあんなに涙ぽろぽろ流してたからなぁ~。やっぱり彼女は違うでしょうねぇ」
おやおや、伊地山くん。
このコは女性に簡単に騙されちゃうタイプのようです。
そして越野さん。
なんでも別の店からの引き抜きの話があったそうです。
この店では片桐さんが絶対権力者で、彼が料理長であることは変わりようがなく、実質ナンバーワンの長内さんが副料理長にいらっしゃる以上、自分がプリモピアット(パスタやリゾットのメニュー)以上の、メインを作らせてもらえる可能性はほぼ皆無。
なのでこれを彼女は快く受けようと思ったそうですが、片桐さんがそれを許さなかったそうです。
「どんな手を使ってもやめさせやしないからな! って、越野さんに怒鳴ってるのを聞いたことがありますよ」
何だかんだで越野さんの実力を認めていたんでしょうね。
それで自分の店で囲って他の店にみすみす貢献するようなことをさせなかった、といったところでしょうか。