五十夜美咲事件帳 No.000【男スポ作品】
・トリック
しばらく後。
「あの~いつまで私たちはここで待てばよろしいのでしょうか?」
長内さんが店外の植え込み脇に降ろしていた腰を上げて訊ねてきました。
そういわれましても、突然警部補がわたしたちに外で待つように告げた後、鑑識と一緒に店内に残って小一時間。
わたしにも何がなんだか。
「これから、このお店どうなるんでしょうねぇ……」
空をぼぅ、と見上げながら呟く伊地山くん。
あぁ、あのジェノベーゼが口に出来ないかと思うとちょっと切ないです……。
と、そのとき、
「お待たせしました」
店内から五十夜警部補が戻ってきました。
その顔は満足そうな表情に彩られています。
そして、次に口にされた言葉は──
「皆さんに、もう一度アリバイをお訊ねしたく思います」
え?
「どういうことですか! こんなに待たせておいて同じ質問をするなんて!!」
イライラが募っていたのでしょうか、声を荒げる越野さん。
「さっき確かに確認できたっていったじゃない!」
同じようにつっかかったのは日比谷さん。
けれども警部補はそれに動じるそぶりなど微塵も見せず、むしろ不敵な笑みを少し浮かべ、
「いえ、今度は“午前2時頃”のアリバイをお聞かせ願いたいのですよ……」
「え? どういうことですか?」
「いやなに。“本当の死亡時刻”が算出できたので、それに沿ったアリバイの確認をさせていただこうと思いましてね。
あぁでも、聞くのはひとりで結構。
と、いうことで聞かせていただけますか?」
「あの~いつまで私たちはここで待てばよろしいのでしょうか?」
長内さんが店外の植え込み脇に降ろしていた腰を上げて訊ねてきました。
そういわれましても、突然警部補がわたしたちに外で待つように告げた後、鑑識と一緒に店内に残って小一時間。
わたしにも何がなんだか。
「これから、このお店どうなるんでしょうねぇ……」
空をぼぅ、と見上げながら呟く伊地山くん。
あぁ、あのジェノベーゼが口に出来ないかと思うとちょっと切ないです……。
と、そのとき、
「お待たせしました」
店内から五十夜警部補が戻ってきました。
その顔は満足そうな表情に彩られています。
そして、次に口にされた言葉は──
「皆さんに、もう一度アリバイをお訊ねしたく思います」
え?
「どういうことですか! こんなに待たせておいて同じ質問をするなんて!!」
イライラが募っていたのでしょうか、声を荒げる越野さん。
「さっき確かに確認できたっていったじゃない!」
同じようにつっかかったのは日比谷さん。
けれども警部補はそれに動じるそぶりなど微塵も見せず、むしろ不敵な笑みを少し浮かべ、
「いえ、今度は“午前2時頃”のアリバイをお聞かせ願いたいのですよ……」
「え? どういうことですか?」
「いやなに。“本当の死亡時刻”が算出できたので、それに沿ったアリバイの確認をさせていただこうと思いましてね。
あぁでも、聞くのはひとりで結構。
と、いうことで聞かせていただけますか?」