【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
それならばと、「チケット代は払う」と強めに申し出るけど。
「大丈夫。おにーさんを頼りなさい」
口の端をあげ、大人っぽい笑みを浮かべる明希ちゃんに、甘い口調でなだめられてしまった。
いくら経っても追いつけない2年の差。
きっと、これ以上言っても明希ちゃんはお金を受け取らないだろう。
「……ありがとう」
爪の先が白くなるほど、チケットを持つ指に力を入れる。
そして、無意識のうちに唇を開いた。
「どう誘ったらいいかな」
……あ。勝手に声が紡がれていく。
だけど明希ちゃんは、んー、と小首を傾げながら真剣に相談に乗ってくれて。
「やっぱり、直接会うか電話かメッセージあたり?
電話がいいんじゃない?
自分の言葉で伝えられるし、カンペ見ながら話せるし」
「電話……」