【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
クラスメイトが帰り、だれもいなくなった教室。
ひとり、自分の席に座り、スマホを見つめる。
窓から差し込む西日が、教室ごと鮮やかなオレンジ色に染め上げ、私の影を大きく映し出す。
オレンジ色の教室は、世界から隔離されているかのように、とても静かな空間だった。
私は小さく息を吐き出すと、アドレス帳から大のスマホの電話番号を選択した。
そしてスマホを耳に当てる。
だけど、耳に聞こえてきたのは、もうすっかり聞き慣れた冷たい電子音声。
……やっぱり、かからないよね。
スマホを持つ手を降ろし、大のアドレスページをぼーっと見つめる。
と、その時。
「なにしてんだよ、未紘」
あの声が聞こえてきて、ばっと顔をあげれば、大が私の机の前に立っていて。