【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「大っ……」
明希ちゃんと話し合った誘い方なんて、頭の中から飛んで行った。
私は大を引き止めるかのように、壊れた人形のように必死で声を続けた。
「一緒に、映画行こう?
チケット2枚あるの。
男女で行くと、写真撮れるんだって。
映画見たら、美味しいランチ食べよう? 私、美味しいレストラン探すよ。それから夜景を見に──」
「──未紘」
私の声を遮る、大の声。
はっと、目を見開く。
唇を開けたまま喉が閉まった。
前髪から覗く、私を諌めるような大の眼差しに、これから起こるすべてのことがわかってしまう。
やだ。言わないで、大。
その続きを──
「俺は行けない」
「……っ」