【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「こちらのお写真は、ご鑑賞後にお渡ししますね」
そう案内されて入場を済ませ、まわりの喧騒から離れたところで、明希ちゃんを見上げる。
「明希ちゃん……」
そんな微かな声を拾ってくれたのか、明希ちゃんが足を止め、私を見下ろしてこそっと囁いた。
「よかった、君のこと見つけられて」
薄暗い中でもわかる明希ちゃんの微笑が、一番星のように瞬く。
まだ夢を見ているみたいだ。まさか今、隣に明希ちゃんがいるなんて。
「どうしてここに……?」
「ある人に頼まれたんだよ。
ヒロのこと、見ててあげてって」
「ある人って……」
「君のこと、すごく大事に思ってる人」
どういうことなのだろう。
穏やかに紡がれた明希ちゃんの言葉の真意が汲み取れず、その意味を頭の中で探ろうとしていると。
「今日は、俺が大くんの代わりするから」
「え?」
「目一杯楽しんじゃおう、ヒロ」
明希ちゃんが授業を抜け出したいたずらっ子みたいな、そんなトーンで言う。
それは、私を励ますような、そんな響きにも聞こえた。