【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
……聞いたり責めたりしないのだろうか、私がひとりで来ることになった理由を。
ちくりと胸が痛んで、胸の前でぎゅっと手を握りしめていると。
「ん」
明希ちゃんが突然手を差し伸べてきた。
その意図が理解できないでいると、明希ちゃんが小首を傾げて大人っぽい笑みを口の端にのせる。
「手、繋がないの?」
「え?」
「付き合ってるんだから、この手はヒロのものだよ」
「──っ」
明希ちゃんの思いがけない言葉に、爪の跡がつくほどに固く握りしめられていた手の力が抜ける。
そしてそっと躊躇いがちに伸ばせば、明希ちゃんが私の手を迎え来るようにして握りしめた。