【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
上映されるシアターに入れば、座席はもうほとんど埋まっていた。
「そーいや、ドリンクとか買ってくるの忘れた。
ヒロ、なにかほしいのある?」
「ううん。特にはない」
「ん、わかった。じゃあ俺もいいかな」
私たちの席は、中央ブロックの右端だった。
明希ちゃんがさりげなく通路側に座り、見やすい内側へ私を誘導してくれる。
席に着くと、間も無く予告が始まり、シアター内の照明が消えた。
映画が始まる合図に、ざわざわしていた周囲がしんと静まり返る。