【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
そして物語終盤、男性が余命わずかであったことが明かされる。
誤解が解け、運命の再会を果たした男女は、手を取り合ってずっと一緒にいることを誓い合い、そして物語は終了した。
歌番組でよく耳にする壮大なラブソングをバックに、エンドロールが流れていく。
すんすんと鼻をすする音があちこちから聞こえる中、私と明希ちゃんはシアターを出た。
「なかなかいい映画だった」
真面目な顔して、腕を組みながら映画の批評家さながらに言う明希ちゃんが、なんだか可笑しい。
「ヒロは?」
「わたしもよかった。
でもどうして、あの男の人は余命のことを隠していたの?」
最初から打ち明けていれば、あんなにお互いこじれることもなかったのに。
それに、一方的に別れを切り出すなんて、あんまりだ。
残された方の気持ちを思うと、つらいシーンだった。