【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
すると明希ちゃんは考えるように、んー、と少し目線を上げながら、私に答えをくれた。
「彼女を愛していたから、じゃない?
愛してるからこそ、未来がある人と幸せになってほしいし、自分のせいで悲しませたくないと思う。
別れようって言ったのは愛のある嘘だったんだよ」
「じゃあ主人公は、とても愛されていたんだ」
「そーだね」
ストン、と心の中であの男性の言動の意味が理解できた。
世の中には、愛するからこそつく嘘もあって。
愛することは難しいと、まだ映画の余韻が残る頭でぼんやり考えた。