【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
それから、キャラメルポップコーンの甘い匂いにお腹を刺激された私達は、映画館の近くのカフェに入った。
こじんまりとしてはいるが、おしゃれで雰囲気のいいカフェだ。
コーヒー豆を煎った香ばしい匂いが、店内に充満していた。
先に席を選び、荷物を置いて、ケーキを注文しにレジに並ぶ。
私は曇りひとつなく磨きあげられたショーケースの前にかがみ、そこに並ぶ数多くのケーキを眺めた。
ライトに照らされ、コーティングされたケーキがきらきら輝いている。
まるで宝石箱を覗いているような、そんな心持ちでどれを頼むか吟味する。
だけどどれも美味しそうで、迷ってしまう。
今食べて、最も満たされるケーキはどれだろう。
「ヒロ、超真剣」
一時もケーキから目を離さずショーケースとにらめっこをしていると、隣に並ぶ明希ちゃんの笑いを含んだ声が落ちてくる。
「だって真剣に決めなきゃ……」