【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
白いトレーに、頼んだケーキとドリンクを乗せて、席に着く。
「いただきます」
手を合わせて、私は早速フォークを手にすると、モンブランに切り込む。
やわらかいクリームとスポンジがふわっと切れていく感覚。
そして一口大の大きさをフォークに乗せると、間髪入れずにぱくっと口に含んだ。
途端に、香ばしい秋の甘さが口の中に広がる。
思わず頰が緩んで笑顔がこぼれてしまう。
「おいしい?」
「うん……! とってもおいしい」
肘をつき楽しそうに私を眺めていた明希ちゃんが、苺タルトとモンブランが乗る私のトレーを見て、くしゃっと目を細めて笑う。
「ヒロ、よく食べるね」
「そう? いつものお弁当とかよりは、全然少ないと思うけど」
一応人と来ているのだから、いつもと比べてこれでもセーブしている方だ。
本当はこれだけじゃ腹二分目にも満たない。
すると、明希ちゃんが眉を少し下げて笑った。
「あー、そうだったそうだった。
じゃあそんなヒロに、これをあげます」
とっておきのお楽しみのように差し出されたのは、ほとんどと言っていいほど口をつけていないチーズケーキ。