【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
『あーっ! 暑すぎ……っ』
『ふふ、大ってほんとに暑いの苦手だよね』
公園の端にある、木陰のベンチ座り込んだ大が、膝の上に肘をついて、あまりの暑さに音をあげた。
路上ライブの帰り道、私たちは暑さから一時的に避難するため、この公園に立ち寄った。
私の分まで二本のギターを背負ってくれていた大の、中学指定のワイシャツが、びしょびしょに濡れている。
『お前は歌って体力消耗してんだから、こんな重いもん持つな』と、昔から暑さが苦手なのに、私の分まで背負うと言って聞かなかった。
『なにか冷たいもの買ってこようか?』
『んー、いい。それよりここにいろよ、未紘』
大が私の手首を掴んだかと思うと、ぐっと引き寄せて、自分の隣に座らせた。
そして、体を倒してきたかと思うと、私の太ももに横向きに自分の頭を乗せてきた。
『ちょっと、大……っ?』
『貸せよ、減るもんじゃねぇし』
そういう問題ではない。
直に感じる、大の重さと熱に、心臓が爆発するんじゃないかと思うくらい鼓動が早鐘を打つ。
呼吸で揺らすのも躊躇うほど、大の頭を乗せた腿に全神経が集中する。