【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
友達の認定をしてもらえたことに、なんとなくそわそわと落ち着かなくなって立ち上がる。
「あの、私、そろそろ戻るね」
「もう?」
「明日テストがあるから」
これは帰るための口実ではなく、本当の話だ。
明希ちゃんとなんでもない会話をしていたい気持ちはあるけれど、明日の数学テストに備えて勉強もしなくてはならない。
「じゃあ、また明日」
「あ、ヒロ、」
教室を出ようとした私を、不意に明希ちゃんが呼び止めた。
その声に振り返ったのとほぼ同時に、明希ちゃんの上履きが床にくっと引っかかり、前のめりになる。
そして。
──ダンッ。
よろめいた体を支えるように、明希ちゃんが壁に手をつく。
壁との間に挟まれた私は、突然迫ってきた明希ちゃんに目を見開いた。
「……っ、ごめん」
「大丈──」
そう口にしかけた時、視線が至近距離で絡み合って声が途切れた。