【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
放課後、いつもの廊下を通り美術準備室に向かう。
今日は、加奈代ちゃんとお弁当を一緒に食べるほどの仲になったことを報告すると決めていた。
お弁当を一緒に食べている時も、加奈代ちゃんはいろいろな面白い話を聞かせてくれた。
自分の教室でだれかとお弁当を食べる日が来るなんて、想像もしなかった。
早く明希ちゃんに報告したくて、授業が終わるのが待ち遠しくて。
どんな表情をして私の話を聞いてくれるだろうか。
「明希ちゃん」
呼びながら、美術準備室の古びたドアを開ける。
その途端、いつもの甘い香りが私を襲う。
だけど、そこに見慣れたアッシュブラウンの髪色の後ろ姿はなかった。