【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
冬の海は、どこまでも果てしない。
海を見渡せる防波堤に立った私は、大きく口を開け、勢いよく空気を吸い込むと。
「ああああああーー!」
永遠と思える海に向かって、波音にかき消されないように全身全霊こめて叫んだ。
心に潜んでいた弱さを、迷いを、すべて吐き出すみたいに。
そしてこれは、歌声を失った私の、君へ贈る最初で最後のラブソングだ。
不恰好できれいじゃない。
けれど、大の元へ届くよう声が枯れるまで叫ぶ。
視線の先にもう君はいない。
大が見られなかった景色を、私が見ていく。
君を忘れていくのは怖いけど、私の心にはたしかに君が永遠に息づいているから。