【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
そして、明希ちゃんはさっき来た道を戻って行った。
ひとりになり、私も公園に向かうことにした。
平日夕方の公園は、閑散としていた。
遊び相手がいないたくさんの遊具が寂しそうに見える。
明希ちゃんが来るまで、なにしていよう。
公園の入り口に立ち、そんなことを考えた、その時。
カサカサと葉っぱの上を歩く、なにかの足音が聞こえた。
振り返って、音がした方を視線で辿れば、グレーの毛色の猫が、気づかれたというようにこちらを見つめていた。
猫だ。
むくりと好奇心が芽を出す。
昔から動物にはあまり興味がないけれど、猫だけは別。
──明希ちゃんが戻ってくるまで。
と、私は猫を追いかけた。