【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
……こんなに、息を切らして探し回るくらい、
「心配、してくれたの?」
思わずそう問えば、さらに私を抱きしめる腕に力がこもった。
そして、押し込めたような切実な声が返ってくる。
「年上だからだいぶ抑えてるけど、本当は君のことになると余裕なんて忘れる」
──そんなふうに言われてしまうと。
「大事にされてるって思い込みそうになる」
「思い込んで。大事に思ってるから」
「……っ」
ぎゅっと容赦なく、胸の奥が優しい力で締めつけられる。
私に覆いかぶさり、丸まっている明希ちゃんの背中にそっと腕を伸ばしてみる。
そして手を背中に添えれば、明希ちゃんの温もりが手のひらから伝わってきた。
ああ。いつも温かい、この人は。