【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
私は、前のめりになるように、〝ファン一号くん〟にずいっと体を寄せた。
『歌で応援してあげる。
〝ファン一号くん〟が一秒でも長く幸せな気持ちでいられるように。
だからいつでもここに来て。
いつでもここで待ってる。
それで、〝ファン一号くん〟を応援する歌、歌うから』
〝ファン一号くん〟の力になりたい。
その一心で訴えれば、彼は目を細め、頬を綻ばせた。
『うん、ありがと』
あまりに綺麗な笑顔に引き込まれそうになったその時。
『おーい、未紘ー!
おばさんが呼んでるぞー!』
土手の上から私を呼ぶ大の声が聞こえて来た。
『あ、うん!
じゃあ、また明日』
『ん、また明日』