【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。


「そんなこと覚えてくれてたんだ」


「明希ちゃんと過ごす時間は大切だから。
一秒も見逃したくないくらい」


目を細め、大切な感情を胸の奥からそっと引っ張り出してくるように紡げば。


「なにそれ。泣けるね」


明希ちゃんが、不意に目に手を当て、泣くような仕草をする。


「え?」


「俺、なにか飲み物取ってくる」


「そんな、お構いなく……」


「いいからいいから」


ひとり話をつけて、目を合わせないまま部屋を出て行ってしまう明希ちゃん。


……なんだか今、ちょっと違和感があった。

どうしたんだろう、明希ちゃん。

< 267 / 428 >

この作品をシェア

pagetop