【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。


考えても答えが出なくて、閑散とした空気の中、私は改めて部屋を見回した。


シンプルで無駄がない部屋。

ここで明希ちゃんが生活してるんだと思うと、なんとなく胸の奥がしゅわしゅわする。


めちゃくちゃ片付けたって言ってたけど、この部屋が散らかってる様子は想像できない。


あ。明希ちゃんの勉強机の上に、一緒にCDショップに行った時に買ってくれたCDがある。

懐かしい。


と、そんなことを考えていると。


「ヒロちゃーん!」


突然明るい声が聞こえてきて、部屋のドアが開いた。

そこにはなぜか、着替えに行ったはずの希紗ちゃんが、さっきの恰好のままトレーにコップを乗せて立っていて。


「あれ、希紗ちゃん?」


小首を傾げると、後ろに立っていた明希ちゃんが困ったように言う。


「希紗が運ぶって聞かなくて」


「どうぞっ」


張り切った様子の希紗ちゃんが、私にお茶を注いだコップを渡してくれる。


「ありがとう、希紗ちゃん」


笑顔を返せば、希紗ちゃんは口を手で押さえてすごく嬉しそうに笑みをこぼす。


「ふふ、どういたしまして!
じゃあ、希紗、きがえてくるっ!」


「おー、今度こそ行ってらっしゃい」

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