【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。


それから、自己紹介のテンプレートみたいな事項を質問され、質問が終わる。


「よし、これでだいぶ君のこと知れた」


満足そうにペン先を仕舞う明希ちゃんを見つめながら、そっと口を開く。


「じゃあ、私からも質問していい?」


昨日、明希ちゃんと別れてから、ずっと気になっていたこと。


「ん、なに?」


「〝ファン一号くん〟は、今どうしてる?」


平坦な響きで静かに尋ねれば、明希ちゃんは穏やかに目元を緩めた。


「元気だよ。離れて暮らしてるから、会わせてあげることはできないけど」


「離れて暮らしてるの?」


「ひょっこり帰ってきたりするんだけどね」


離れて暮らしてるとは、意外だった。

会えないことには心が落ち込むけど、元気だということがわかって、ほっとする。

姿が見えなくなってから、ずっと気になっていたから。

< 27 / 428 >

この作品をシェア

pagetop