【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。


すると、黙って私の決意を聞いていた明希ちゃんが微笑んだ。


「ヒロの歌声、すごく綺麗なんだろうな」


なんてことない言葉のように紡がれた明希ちゃんの声が、じんわりと胸にしみて熱くなる。


絶対歌えるよ、でも、頑張れ、でもない。

そっと寄り添うような言葉。


……どうして。

「明希ちゃんはどうしてそんなふうにいつも信じてくれるの?」


思わずそう問えば、明希ちゃんの落ち着いた声が返ってきた。


「君がいつも俺を信じさせてくれるんだよ」


「え?」


思いがけない答えに、思わず目を見張る。


「心が空っぽでなにも信じてなかった俺に、毎日が愛おしいことを教えてくれた」


「明希ちゃん……」


「だから思うんだよね、」そう言いながらベッドに横向きに頭を倒し、明希ちゃんが私を見つめて言葉を継ぐ。


「難しいこともなにもかも取っ払ったとして、最後にはやっぱり君のことが好きってことしか残らないんだろうなって」


「……っ」

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