【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
なにも答えられずにいると、明希ちゃんの瞳に、いたずらな熱がこもる。
「あんまり煽ると、その可愛い唇、悪いおにーさんが塞いじゃうよ」
「待って……っ」
おかしいくらいに、鼓動の歯車が狂ってしまったかのように、心臓が騒がしい。
だけど明希ちゃんは畳み掛けるように、顔を下から近づけて来る。
「好きだ、ヒロ。すげー好き……」
「……っ」
やろうと思えばできるのに、今の私には振り払うことも押し返すこともできない。
どうして──。
止まることなんて知らずに、触れそうなほど近づいてくる明希ちゃんの気配。
睫毛が絡み合い、そして、唇に訪れる熱を予感し目をぎゅっとつむった、その時。