【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
人は、何時間もベッドに入っていると、寝られるものらしい。
目が覚めると、部屋はすっかり真っ暗になっていた。
もう夜か……。
終わってしまう。誕生日が。
去年まではなんてことない、普段と変わり映えしない一日だったのに、今年は違った。
胸が浮くような、少しだけ特別な意味を持った一日だったのに。
と、その時、部屋のドアが開いた。
お母さんが開いたドアの隙間から、こちらを窺うように潜めた声で聞いてくる。
「未紘、起きてる? 夜ご飯は?」
「起きてる。食べる」
もちろん即答。
私の辞書に食欲減退という言葉はないらしい。
しっかり夜ご飯を食べ、誕生日プレゼントであるケーキ2ホールをペロリと平らげると、微熱はあるものの、あれほどだるかった体は少しだけいつもの調子を取り戻した。