【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
そして、数秒もたれるように抱きしめられたのち、腕が緩んで体が離れた。
私の視界の先に映る明希ちゃんは、いつもどおりの完璧に整った笑顔を浮かべていて。
「俺のせいで病人に無理させちゃダメだよな。
もう寝よっか」
「うん」
明希ちゃんが立ち上がる。
「じゃあ、俺はそろそろ帰るから」
窓の方に向き直そうとする明希ちゃん。
私はその動きを止めるように、反射的にそのズボンの裾を思わず掴んでいた。
「待って」
「え?」
「一緒に、寝てくれない?」
驚いたように私を見下ろしていた明希ちゃんが、一瞬にして引きつった笑みを浮かべる。
「はいっ? なにをおっしゃってるんですか、ヒロさん」
「ひとりで寝ていると寒くて」
明希ちゃんに湯たんぽがわりになってほしい。