【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「あの! 私、読モ時代から明希くんのことが好きでした!」
「辞めちゃってからも、私たちずっと好きで……。
同じ高校なのは知ってたけど、なかなか会えなかったから会えて嬉しいです……!」
あまりにタイムリーな話題に、私は息を詰めた。
明希ちゃんは、なんて答えるのだろう──。
「ごめん」
聞こえてきたのは、女子たちの弾んだそれとは対照的な、ひどく固い声だった。
思わず、女子たちの方を向いた明希ちゃんの背中を見つめる。
「ちょっと今、急いでるんだ。
せっかく声かけてくれたのに、ごめん」
「全然大丈夫です!
会えただけで幸せすぎるので……!」
明らかな嘘をついて、明希ちゃんが足早に図書室を出ていく。
私は慌ててその後を追った。