【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「──明希ちゃん」
教室棟とは対照的にだれもいない廊下に、私の声が響く。
明希ちゃんが立ち止まり、おもむろに振り返る。
「ん?」
こちらを向いた明希ちゃんはいつもどおりだ。
まるでなにもなかったと、そう振る舞うように。
私はぐっと拳を握りしめ、口を開いた。
「明希ちゃん、読者モデルやってたの?
ナツくんじゃないの?」
答えの見当もつかない問いをぶつければ、明希ちゃんの顔からふっと笑みが消えた。
「……それは話せない。ごめんね」
「……っ」
あまりに真っすぐ見つめられて、なにも言えなくなる。