【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
それからふたりで売店のクレープを食べたり、イルカのショーを見たり、水中のトンネルを通ったりして、心ゆくまで水族館での時間を楽しんだ。
そして園内を回りきり、5時を回った頃、私たちは水族館を出た。
「はー、なんかあっという間だったなー」
「うん」
隣で伸びをしながら言う明希ちゃんに、同意する。
特別な時間を過ごせたからこそ、寂寥感に襲われる。
「すごく楽しかった。
また、一緒に来たい」
歩きながら、ぽつりと寂しさを滲ませてつぶやけば。
「ひーろちゃん」
明るく持ち上げた声で、明希ちゃんに呼ばれる。
その声につられて顔を上げ、隣を見ると。
「明希ちゃんも楽しかったぺん!」
突然、ペンギンのぬいぐるみが目の前に現れた。
「え?」
「君に、プレゼントです」
瞬きをしていると、明希ちゃんがひょこっとペンギンの影から顔を出した。
希紗ちゃんのためのお土産が入っているとばかり思っていたショップの袋は、ぺしゃんこになっていて。