【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。

「──、君を傷つけたくないと思った」







翌日、私はやっぱり目覚ましが鳴るより早く目を覚ました。


緊張は、昨日から絶え間なく心を覆っていた。


明希ちゃんは一体、どんな秘密を抱えているのだろう。


まだ全然分からないけど、きっと明希ちゃんのことだから、なにか意味と理由があるはず。


窓の外は、曇天で薄暗く、寒々としている。

私は準備を終えると、コートを羽織り、家を出た。





約束の10分前に、待ち合わせ場所である駅前に到着した。


明希ちゃんの姿はまだない。

昨日、20分も早く着いてしまった私と、それほど大差なかったのに。


まだ準備をしているのかな、と、その時は考えていた。

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