【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「今度デートしてよ〜」
「はは、いいよ」
……明希ちゃん。
足が地面に貼りついたように、動けなかった。
ここでなにしてるの。
私、ずっとあなたを待ってた。
今日約束してたよね。
声にしたい言葉はたくさんあるはずなのに、喉が閉められたようになにひとつとして声にならない。
「彼女はいないの?」
「いないよ」
「好きな子は?」
「んー、いないかな」
女子ふたりからの質問に、涼やかな笑みでそう答える明希ちゃん。
──胸の奥で、なにかが弾けた。
『昨日も今日も明日も、俺は君に恋をするよ』
つい昨日私に向けられた明希ちゃんのピンク色の言葉が、耳の奥で黒い呪詛に変わった。
明希ちゃんがくれた言葉が、笑顔が、思い出がバラバラと音を立てて崩れていく。