【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
声も出ず動くこともできず、こぶしを握りしめて数メートル先で繰り広げられる光景に立ち尽くしていた、その時。
女子たちと話していた明希ちゃんが、不意に視線をあげた。
何気なく持ち上げられた瞳と、私の信じられないというように見開かれた瞳とが交わる。
その瞬間、ばちんと弾かれたように、私は身を翻して走り出した。
もう心が限界だった。
信じてた。あなたが大切だった。
だからこそ、こんなに苦しい。
やっと人に心を開けたのに。
話したいことって、それだったの?
ずっと遊んでたんだよ。
好きなんて嘘だよ。って?
いつの間にか目からあふれていた涙が、風に乗って飛んでいく。