【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「一番に聴かせて」
「行ってきます」
聞こえるか聞こえないかのボリュームで、リビングにいる親に声をかけて、家を出る。
駅前にある中古のCDショップに行くから、大きな斜め掛けバッグを提げて。
そこのCDショップは、私の行きつけだ。
レアなCDを手に入れることができるため、中学の頃から、学校帰りに寄ったりもしていた。
今日も掘り出し物が見つかるといいな、と、そんなことを考えながら眩しい日差しのもとを歩く。
日曜日だということもあり、駅前に近くなればなるほど人が多くなってくる。
人混みが大嫌いな私は、つい眉をひそめてしまう。
だけど、いつもよりも明らかに混んでいる。
それにやたらと女子が多いのは、なんでだろうか。
そんなことを考えながら足を速めようとした時、混んでいる原因がひとつの人だかりだということに気づいた。