【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
それから俺たちは、水族館でふたりの時間を楽しんだ。
目をキラキラさせて魚を見つめるヒロは可愛くて。
水族館に誘った俺は、多分贖罪のつもりだったんだろう。
もうすぐ君の前から姿を消すことに対して。
今日がきっと、君に残してあげられる最後の思い出なのだ。
そして最後の思い出すら忘れてしまう俺を、どうか許してほしい。
楽しい時間はあっという間で、水族館をひととおり見終えた俺たちは帰路を歩いていた。
「はー、なんかあっという間だったなー」
「うん」
俺の呼びかけに、ヒロが声のトーンをさりげなく落とす。
「すごく楽しかった。
また、一緒に来たい」
また一緒に来たい。
なにげない彼女の言葉が、俺の胸を締めつけた。